『日本人のための大麻の教科書』歴史から紐解く農作物としての大麻
書籍の概要
日本の歴史的観点から大麻について紹介した書籍『日本人のための大麻の教科書 「古くて新しい農作物」の再発見』が5月16日(日)に刊行される。
社会学者の宮台真司さんや『真面目にマリファナの話をしよう』を著書にもつライターの佐久間裕美子さん、弁護士の亀石倫子さんといった識者による寄稿も収録されている。
価格は1760円(税込)。
日本の伝統的な農作物・大麻
大麻といえば、その成分の一種であるTHCは日本では違法薬物の一種とされており、THCを含む大麻の所持や売買などの疑いで、しばしば著名人の逮捕などが報道されている。
2020年には大麻を所持したなどとして検挙された数は国内で5034人にのぼり、4年連続で過去最多を更新している。
他方で、広く知られているように植物としての大麻は日本の伝統的な産業や文化と深く結びついてきた。
アメリカをはじめ海外では、医療品や嗜好品として再評価の動きが相次ぎ、アメリカ全土でも次々と大麻の合法化が進んでいる。その動きは「グリーンラッシュ」と呼ばれるほどの経済効果をもたらしているのもまた事実としてある。
日本人にとって馴染み深い農作物としての大麻
その取り扱いを巡って激動の時代を迎えている大麻について、栃木県の那須にある大麻博物館が様々な観点から掘り下げたのが『日本人のための大麻の教科書 「古くて新しい農作物」の再発見』だ。
本書では、稲作より早くから栽培され、衣食住に用いられてきた農作物である大麻を、「名称」「歴史」「農」「衣」「宗教」「文化」「食」「薬」「模様」「法」という10の切り口から、捉え直してまとめている。
神道の世界ではその繊維を清めの道具として用い、伊勢神宮のお札は現在も神宮大麻と呼ばれるなど、日本の伝統文化と非常に密接な関わりを持ってきた農作物としての大麻について学べる一冊となる。